夏の心地よい睡眠のために BAUM × BALMUDA × nemuli

INTERVIEW睡眠改善インストラクター益田桃花さん

睡眠は、明日のパフォーマンスのための大切な時間。わかっていても、忙しい毎日の中で睡眠にまで心を配れないという方は多いことでしょう。睡眠改善インストラクターの益田桃花さんは、「睡眠のメカニズムを知って、ほんの少し睡眠環境を工夫するだけでも眠りの質は上げられる」と話します。

日中のパフォーマンスに関わる睡眠の質

皆さんは毎晩よく眠れているでしょうか。「同じ時間だけ眠っても睡眠の質が低いと、日中眠くなったり、記憶力や判断力が低下したりしてパフォーマンスが落ちてしまいがちです」と話す益田さん。現代人の眠りの質を心配しています。どうしたら睡眠の質を上げることができるのでしょうか。「“疲れたら眠れる”と思っている方がいるかもしれませんが、実は、睡眠は能動的な行動なので、眠るにはスイッチを入れなければなりません」。1日のサイクルを司る体内時計をリセットするために朝日を浴び、自律神経を整えるために日中適度な運動をするなど、睡眠のスイッチとなる行動はいくつも知られています。このようにさまざまな行動が睡眠に影響を与えるのは、睡眠が体の重要なシステムの1つであり、ほかの行動と切り離せないからなのです。

画像提供:nemuli

睡眠の質を上げるには熱の放出が重要に

さまざまな睡眠スイッチがある中で、特に重要なのが「深部体温」といわれる脳や臓器など体の奥の温度のコントロールだと益田さんはいいます。「深部体温が下がると自然と眠くなり、睡眠中もこの深部体温がうまくコントロールされていれば睡眠の質は保たれます」。深部体温は眠る時間になると1日のリズムとして基本的には自然と下がってきます。

「眠い時に身体がポカポカしているのを感じたことのある方もいるかもしれません。これは、深部体温を下げるために手足の甲を中心に顔や背中からも熱の放出が起こるからです。この放熱を妨げると寝付きが悪くなってしまいます。例えば、夏場に寝苦しいからといって部屋の温度を下げ過ぎると、手足などの末しょうの血管が収縮して放熱が起こりにくくなります。冬に靴下を履いたまま寝るのも放熱が妨げられます。こうして深部体温が下がりきらないと眠りが浅くなってしまうのです」。

しかし、夏場はエアコンをつけたまま寝ている方も多いことでしょう。深部体温をスムーズに下げ、睡眠の質を上げるには、どうすればよいのでしょうか。

  • 深部体温と放熱のイメージ。脳や臓器の温度を深部体温という。眠るときには、手合いの甲や顔、背中から放熱が起こり、深部体温は下がる。

ホテルでの眠りの体験

深部体温を下げるためには睡眠環境を整えることが重要です。その鍵になるのが、マットレスや風をうまく利用して放熱を促すことです。2025年5月、三井ガーデンホテル柏の葉に眠りの体験ができる部屋が設けられ、宿泊した方にアンケートで感想をうかがう実証実験が行われました。この部屋は、「質の高い眠りのための理想的な環境とは何か?」を考えて作られ、特に深部体温をスムーズに下げ、その状態を一晩中維持することを目指してnemuliの「パーソナルマットレス」とバルミューダの扇風機「The GreenFan」が用意されました。

まず、パーソナルマットレスは多くの方の体型に合うように設計されており、一晩に20回ほどするといわれる寝返りを妨げないので、睡眠中の血行と放熱をアシストすると期待されました。nemuliは個人向けに一人一人の体型に合ったパーソナルマットレスを製作・販売しており、その効果は、経済産業省のヘルスケアサービスガイドラインの基準をクリアし「ヘルスケア認定寝具」として認められています。

次に、The GreenFanが用意されたのは、放熱によって温度が上がった身体の周りの空気を循環させるためでした。益田さんが「初めて使った時、びっくりした」というThe GreenFanの風は、自然の風のようにふわっと広がり、眠っている人の体の周りの空気を優しく動かします。一番弱い風量1の動作音は「蝶2羽の羽ばたき音」と表現されるほど静かで眠りを妨げることはありません。さらに、今回の睡眠環境ではスキンケア用の化粧品も用意されました。「眠る前のスキンケアで保湿し、風が当たった際の肌の乾燥を防ぐのが狙いでしたが、アンケートではリラックス感のある香りがしてよかった」という主旨のコメントが多く見られました。

「眠る際には基本的には刺激がないほうがいいのです。ですから扇風機の風も強過ぎないことがおすすめです。一方で、眠りにつくには深部体温を下げるほかにも、リラックスして副交感神経を優位にすることが大切です。今回は、リラックス感のある香りが眠気を誘ったのかもしれません。リラックスするという意味では、好きな香りや音楽などを取り入れるのはとてもいいことなんです」と益田さん。睡眠環境では香りも大切だと感じた人がいた理由をこんなふうに話してくれました。

画像提供:BALMUDA

好きなものに囲まれリラックスできる環境を

アンケートでは、すべての体験者が「いつもよりよく眠れた」「途中で目が覚めることがなかった」などとポジティブな感想を寄せており、睡眠環境を整え、深部体温をうまくコントロールすることの重要性が浮き彫りとなりました。「自分の睡眠環境に取り入れたいものはありますか」という質問には、全員がどれかを取り入れたいとし、「3つとも取り入れたい」と回答している方もかなりいました。どの製品も手軽に自分の生活に取り入れられると評価されたようです。また、「マットレス、風、香りの相乗効果で、寝付くときから朝まで質のいい睡眠が継続した」と感じた方も複数いました。

益田さんは「“よかった”といって下さる方が予想以上に多かったと感じています。この体験が睡眠の質への気付きにつながったのであればうれしいです」と話します。一方で、このアンケート結果からは、現代人の睡眠の質が十分ではないことも見えてきました。「睡眠の質を上げるために日中に様々なルーティンを行うことも効果的ですが、忙しい現代人にとってはなかなか難しいもの。今回の眠り体験では、手軽に整えられる睡眠環境が、深部体温のコントロールだけでなく一晩の眠りをトータルでアシストできる可能性が示されたといえるでしょう。」

益田さんは「眠るのが大好き」だといいます。それは、睡眠が1日の中でもリラックスできる時間だからなのだそうです。「眠るときにはお気に入りの寝具に包まれて…」という彼女の睡眠環境からは、眠りを大切にしながら、同時に楽しんでいる様子が伝わってきました。睡眠は大切な生活の一部です。特に、これから寝苦しい夏が近づく中、皆さんも睡眠環境を改めて見直し、自分にとって心地いいものを取り入れてみるといいかもしれません。

益田桃花さん

睡眠改善インストラクター / 睡眠環境・寝具指導士(R)

大学時代から睡眠についての研究に従事し、一般社団法人日本睡眠改善協議会(JOBS)主催の睡眠資格である「睡眠改善インストラクター」の資格を取得。株式会社nemuliでは「身長別に製造するパーソナルマットレス」などの自社商品の監修や、様々な企業とのコラボレーションにおける企画、監修を行っている。